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【ミニ四駆改造】スーパーキャパシタを使って、ターボ加速システムを搭載してみた

ミニ四駆を改造して「ターボ機能」を搭載してみました。

スイッチで『充電走行モード』と『通常走行モード』を切り替え。

通常走行モード時にリモコンのボタンを押すと、スーパーキャパシタに充電された電気を一気に放出します。

一定時間、モーターの回転数を大幅にアップし、通常よりも早いスピードで走行します。

回路図・配線写真

ミニ四駆にターボ加速システムを搭載するための回路図
改造したミニ四駆のボディとシャーシ

必要なもの

技術解説

乾電池とスーパーキャパシタを合わせて6V

通常、ミニ四駆は単三電池2個(1.5V × 2 = 3V)でモーターを動かしています。

今回の改造は、リモコンのボタンが押されると、電池にスーパーキャパシタを直列に接続する回路に切替。

一時的にモーターへ掛かる電圧を3Vから6Vにアップする仕組みとなっています。

リモコン受信部について

リモコン及び受信基板は、ダイソーのリモコンライトを分解し、取り出したものです。

ONボタンを押したときに点灯する白色ライトの信号を利用しています。

リモコン受信基板の改造
ダイソーのリモコンライト受信基板から必要な信号を取り出すための回路図

フォトカプラとリレーについて

ミニ四駆ボディに取り付けたフォトカプラとリレー

リモコンライト基板から送られてくる電流信号は非常に小さいです。

そのままモーターに繋いでも電流不足で動かすことはできません。

そこで『フォトカプラ』を使用しました。

フォトカプラは、入力側に信号を通すと、出力側が導通する素子です。

フォトカプラの仕組みを解説したイラスト

フォトカプラを使えば、リモコンライトの小さい電流信号を起点にして、乾電池から電源から大きい電流を引っ張ってくることができます。

とはいえ、フォトカプラの出力電流は500mA。

フォトカプラの出力からモーターに繋いでも、モーターを回すにはまだまだ力不足です。

そのため、もうひと手間。

フォトカプラの出力から、更にリレーへと繋ぎます。

リレーなら、モーターを回すために必要な大きな電流だって扱うことが可能です。

(リモコンライトの電流信号では、リレーを動かせる電流に満たないので、フォトカプラは必要です)

リモコンのONボタンを押すと、リレーによって回路を切り替え。

乾電池とモーターの間にスーパーキャパシタが直列接続される回路に変わります。

トランジスタではなく、なぜフォトカプラなのか?

今回のように、小さい信号電流を元に何かを制御する場合、一般的にはトランジスタを使った増幅回路が用いられます。

しかし、リレーを動かすには、それなりの電流量が必要です。

今回、2SC1815だけの増幅ではリレーを動かすことができませんでした。

そこで、増幅率を気にせず、ある程度の電流を流すことができるフォトカプラを使用しました。

もちろん、ダーリントントランジスタやモータードライバモジュールなど増幅率の高いパーツを使用する方法でも問題ありません(どちらも在庫が無かったので・・・・)

ボタン電池(CR2032)につ

ミニ四駆ボディに組み込んだボタン電池

ボタン電池は、リモコンの受信基板・フォトカプラ・リレーの電源を賄っています。

最初は、ボタン電池を使わず、ミニ四駆本体の乾電池だけで回路全ての電源を賄うつもりでした。

ところが、実際にコースに載せて走らせてみると、モーターの消費電流が思った以上に大きくなることが分かりました。

その結果、リモコン受信基板が電流不足に陥り、正常に動作せず。

それに伴い、リレーも動かなくなるので、ターボ機能がONしなくなりました。

そこで、やむなく回路制御用にボタン電池を追加しています。

スーパーキャパシタについて

ミニ四駆ボディに組み込んだスーパーキャパシタ

スーパーキャパシタは、一般的な電解コンデンサよりも大きな電気を蓄えることができる蓄電池です。

このスーパーキャパシタに、単三電池から電気を送り込んで充電。

ターボ機能をONしたときに、一気に開放する仕組みになっています。

このとき、単三電池と直列接続する回路になるので、モーターに掛かる電圧は一時的に3Vから6Vにアップします。

なお、ミニ四駆のノーマルモーター(マブチ FA-130)のスペックを見ると、対応電圧は1.5V〜3.0Vとなっています。

仕様電圧を大きく超えることにはなるのですが、一時的(3秒くらい)なので、たぶん大丈夫でしょう。

ミニ四駆のノーマルモーター(マブチ FA-130)のスペック

スーパーキャパシタについては、下記の記事でもっと詳しく解説しています↓

スーパーキャパシタとは?基本的な使い方&充電方法

電解コンデンサについて

ミニ四駆ボディに組み込んだ電解コンデンサ

電解コンデンサは電源安定化のために使用しています。

電解コンデンサがなくても、基本的にはモーターは回ります。

しかし、モーターは始動時に大きな電流を消費します

もし、電池が消耗していたり、電池の品質が悪く、出力できる電流量が小さくなってしまった場合、正常にモーターを回すことができません。

そんなとき、この電解コンデンサが足りない分の電気をフォローして供給してくれます。

QIコネクタについて

ミニ四駆ボディに組み込んだQIコネクタ

ボディーとシャーシをケーブルで繋ぐ必要があったため、QIコネクタを使い、取り外しができるようにしています。

QIコネクタについては、下記の記事で詳しく解説しています↓

XHコネクタとQIコネクタ(2550コネクタ)の違い・使い分け・圧着方法

2回路2接点スイッチについて

2回路2接点スイッチ

このスイッチは、スーパーキャパシタに充電するためのモードと通常走行モードを切り替えるために使用しています。

電解コンデンサの充電と放電の解説イラスト

充電モードでは、電池とスーパーキャパシタの極性を合わせて接続する回路。

通常走行モードでは、電池とスーパーキャパシタを直列接続するリレー回路に切り替えています(リモコンのONを押すと、リレーでこの回路に接続される)

ミニ四駆への組み込みについて

リモコン受信基板を載せるところは、平坦になるようにボディの一部を肉抜きしています。

ボディのフロント部分を肉抜き

リレー・フォトカプラ・スーパーキャパシタを取付けるため、サイドの一部をカットしています。

リレー・フォトカプラ・スーパーキャパシタを取付けるため、サイドの一部をカット

電池とモーターの接続を断ち切るため、ターミナルを切断し、ケーブルで再接続しています。

電池とモーターの接続を断ち切るため、ターミナルを切断し、ケーブルで再接続
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運営者プロフィール
コダマ

職業はIT系フリーランス。過去、電子配線業務の経験が10年ある為、はんだづけも得意です。宮崎県在住、30代・2児の父親。

プロが教える!イチからわかるハンダ付けのコツ(工学社)の著者です。

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