- 最終更新日
- 記事公開日
フォトカプラ・フォトリレーとは?違いや使い分けを簡単解説
今回は、『フォトカプラ』の使い方について解説します。
「電子工作に使うだけだから、簡単にフォトカプラのことが知りたい」
「フォトカプラを使う意味があるのか?いまいちピンとこない」
という方、ぜひ参考にしてみて下さい。
フォトカプラとは?
フォトカプラは、入力側に信号を通すと、出力側が導通する素子。
リレーと同じよう感じで、通電させるとスイッチがONになるイメージです。
フォトカプラを使うことで、入力側と出力側を切り離し、別々の回路を構成することができるメリットがあります。
フォトカプラとフォトリレーの違い
『フォトカプラ』と一括りでまとめられることが多いですが、実際には色々な種類があります。
代表的なものが、以下の2つ↓
- フォトカプラ(LED + フォトトランジスタ)
- フォトリレー(LED + 光MOS FET)
フォトカプラは、電気信号を『LED』で光に変換し、それを『受光素子』でまた電気信号に戻すことで、信号を伝達します。
この受光素子に「トランジスタが使われているのか?」「FETが使われているのか?」によって、『フォトカプラ』『フォトリレー』と名称が変わります。
トランジスタとFETの違いについては、以下の記事をご覧ください↓
フォトカプラ(LED + フォトトランジスタ)の特徴
- メリット ⇒ 信号伝達スピードが早い
- デメリット ⇒ 大きい電流を流せない
代表的なフォトカプラ:TLP785 - 秋月電子
フォトリレー(LED + 光MOS FET)の特徴
- メリット ⇒ 小さい入力電流でスイッチONできる
- デメリット ⇒ 値段が高い
代表的なフォトリレー:TLP222AF - 秋月電子
電子工作の用途では、マイコンのような電流値が小さい入力信号を使い、モーターのような大きい電流が必要なものを制御することも多いので、どちらかと言うと『フォトリレー』が適しています。
フォトリレーの使用例
例えば、マイコンでモーターを制御したいとき。
マイコンとモーターで同じ電源を使用していると、モーターに全て電流を持っていかれてしまい、マイコンが動かない場合があります。
その場合、マイコン制御用とモーター駆動用に回路を分けて、別々に電源を用意する必要があります。
こんなときこそ、『フォトリレー』の出番。
下記は、ミニ四駆にターボシステムを搭載したときの回路図です↓
制御基板からの信号がフォトリレーに入ると、モーターと電源が繋がる回路になっています。
※この回路で使用するモーターは消費電流が大きく、フォトリレーの最大電流500mAを超える可能性があった為、リレーを介す構成となっています。
また、「モーターを回すために必要な電流量を増幅しきれきない」「入力信号が小さいと動かない」という点から、この回路ではフォトカプラではなく、フォトリレーを使用しています。
FET・トランジスタと何が違う?
この回路でやっているスイッチング作用は、フォトリレー(フォトカプラ)でなくても、FET(トランジスタ)でも同じことができます。
ただ、「GNDを共有せず、回路を切り離している」という点が違うだけです。
回路が切り離されていれば、片方に過電圧や過電流などの障害が発生しても、もう片方には影響がありません。
電子工作程度であれば、大がかりな回路を組むことは少ないと思うので、わざわざフォトカプラを使うメリットは少ないです。
しかし、電源電圧が違う回路は別々に分ける方が、きれいに整理されてると思います。