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電動はんだ吸い取り器は必要だったのか?HAKKOのFR301-81を買ってみた
基板に取り付けた部品を簡単に取り外すことができる『電動はんだ吸い取り器』
お値段、約20,000円。
果たして本当に必要だったのか?
実際に使っている私が思う「買って良かったこと」「失敗したなぁ〜と思ったこと」について紹介します。
HAKKO ダイヤル式温度制御はんだ吸取器 ハンディタイプ(FR301-81) - Amazon
「電動はんだ吸い取り器、欲しいけど買うかどうか迷ってる・・・」
「値段が高いけど、買う価値あるかな?」
とお悩みの方、ぜひ参考にしてみて下さい。
外した部品を再利用するのか?
例えば、「廃盤になったIC」や「高価な電解コンデンサ」など。
貴重な部品を取り外すために電動はんだ吸い取り器を購入するのであれば、間違いなく「買って良かった」と思えるはずです。
以前、プログラムを書き込んだICを取り外さないといけなくなったことがありました。
一応、吸い取り線でも取り外すことはできますが、もしもICを壊してしまったら面倒です。
ライター装置を引っ張り出して、プログラムを探し出して、書き込みして、という作業をまた行わないといけなくなります。
「できるだけICに熱を与えず、安全に取り外したい」
こんなときこそ!『電動はんだ吸い取り器』の出番です。
抵抗やピン数の少ないコネクタにはあまり使わない
「意外と電動はんだ吸い取り器を使うシーンって少ないんだなぁ」
これが本音です。
電動はんだ吸い取り器は、先端が温まるのに約1分掛かります。
また、サイズもそこそこ大きく、散らかっていて面積も狭い私のデスクには常に置いておくことはできません。
必要になるたびに、クローゼットから収納ケースを運んでくることになります。
だから、抵抗とかピン数の少ないコネクタを取り外すときは、「もういいや」と吸い取り線で処理してしまうことも珍しくないです。
特に値段が安い部品だと、無理にキレイに抜こうとせず、壊してしまう方が手っ取り早い。
足をニッパーでぱちんぱちんと切り離して、残ったピンだけをはんだで抜き取れば、あっという間に取り外すことができます。
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分厚い基板から抜くのか?
例えば、何層にも重なった分厚いプリント基板の場合。
はんだごての熱がなかなか伝わらないので、はんだごてだけで部品を引き抜くのは困難です。
特にベタGNDのピンは熱が伝わりにくいので、取り外しに苦労します。
こんなときこそ!『電動はんだ吸い取り器』の出番。
はんだごてと電動吸い取り器の両方を使えば、スルーホールの中までしっかり熱を浸透させることができます。
きちんと熱を伝え、はんだを溶かすことが、分厚い基板やGNDのピンをスムーズに引き抜くために大事なことです。
電動はんだ吸い取り器は万能ではない
普通のユニバーサル基板の場合は、基板の厚さも薄く、すぐに熱が伝わります。
そのため、はんだ吸い取り線や手動タイプのはんだ吸い取り器(スッポン)を使い慣れさえすれば、部品を引き抜く作業は難しくありません。
ただそれでも、
「あまりはんだごてが得意じゃないから、電動吸い取り器を使ってみようかなぁ」
「スルーホールの中に詰まったはんだを抜くときに使いたいな」
という方もいるでしょう。
もちろん、このような簡単な用途にも『電動はんだ吸い取り器』は抜群の力を発揮します。
ただし、万能ではありません。
- スルーホールの中に小さなメッキ線が入り込んでしまっている
- ランドが剥がれてしまっている、もしくは剥がれそう
- 部品の足がL字に折り曲げて実装してある
- 部品が真っすぐ実装されておらず、スルーホールにひっついてしまっている
などなど。
このようなときは、『電動はんだ吸い取り器』よりも『はんだ吸い取り線』を使う方が、ランドやスルーホールを傷めず、安全に取り外せる場合もあります。
深夜に作業しないか?
自動はんだ吸い取り器は、吸い取るときに「ぶぶぶぶぶぶ」と音がします。
騒音とまではいきませんが、そこそこ大きい音がします。
テレビの音が聞こえなくなるくらいの音量です。
一人部屋だったり、昼間であれば特に気にする必要はありませんが、赤ちゃんのいる家庭や音に敏感な人は気を付けた方が良さそうです。
おわりに
当たり前ですが、電動吸い取りがあるとやっぱり楽です。
はじめて使ったときは「なんて便利な道具なんだ!」と感動したものです。
昔の電動はんだ吸い取り器は、工場とかにしかない圧縮空気を供給できるエアー設備が必要でしたが、今はコンセントに繋ぐだけで使うことができます。
そのときの吸い取り器と比べてみても、ハンディの吸い込みが弱いとは全く感じません。
本当に技術の進歩は素晴らしいですね!