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ラズパイZero2Wがリチウムイオン(18650)で動かない場合の対処法5選
1.ケーブルを最短にする
リチウムイオン(18650)の公称電圧は「3.7V」、一方ラズパイZero2Wは「5V」で動作します。
そのため昇圧モジュールを介して電源を供給する必要があります。
ところが、電源を入れても緑のLEDが数回点滅したあと、すぐにシャットダウンしてしまいました。
モバイルバッテリー(5V)を接続した場合は正常動作するので、電力不足が原因と判断。

最終的に大きな影響を与えていたのはケーブルの長さでした。
18650から昇圧モジュールまでの(3.7Vライン)ケーブルを短縮したところ、動作が安定。
わずか5cm短くしただけですが、電圧降下を防ぎ、起動できるようになりました。
短くした分は出力側(5Vライン)のケーブルを長めにして調整しています。
2.OSをLite版に変更
Raspberry Pi OSには、デスクトップ画面付きで直感的に操作できるGUI搭載版と、マンドラインだけで操作する「Lite版」があります。
ピーク消費電力に結構違いがあったので、Lite版OSを再インストールしました。
ピーク消費電流の違い
- GUI搭載版:最大600mA以上
- Lite版:約250mA前後
ちなみに、OS Lite版はWi-Fiに接続できない不具合が発生したので、下記の記事もご覧ください↓
3.不要な機能をオフにする
ケーブルを短くする対処法を発見する前に発見した方法です。
私はSSHで操作していたため画面出力は不要です。
そこで、画面出力に関係する機能をオフにし、消費電力を抑えることで、100%とはいきませんが、かなりの確率で起動できるようになりました。
sudo nano /boot/config.txt
とコマンドを打ち、config.txtに下記を追記します↓
gpu_mem=16
hdmi_blanking=2
hdmi_force_hotplug=0
hdmi_ignore_hotplug=1
- gpu_mem=16 → GPUに割り当てるメモリを最小の16MBに制限
- hdmi_blanking=2 → HDMI信号を完全に停止
- hdmi_force_hotplug=0 → HDMI出力の強制を無効化
- hdmi_ignore_hotplug=1 → HDMI接続検出を無視
4.昇圧モジュールの変更

昇圧モジュールが十分な電流を供給できていない可能性もあったため、複数試しました。
- MT3608搭載DCDC昇圧モジュール/2A(@150円)- Amazon
- XL6009搭載DCDC昇圧モジュール/3A(@210円)- Amazon
- tps61088搭載DCDC昇圧モジュール/6A(@400円)- Aliexpress
- TPS61230A搭載DCDC昇圧モジュール/3A(990円) - Strawberry Linux
結果的に大きな改善は見られず。
最終的にケーブル短縮による改善が決め手となり、最安のMT3608モジュールでも問題なく動かせています。
5.リチウムイオン電池(18650)を交換する

電池そのものの性能不足も疑いました。
元の電池は「1200mAh 3.7V」と容量がやや小さめで、放電性能も低い可能性がありました。
そこで、ハイエンドとされる Sony/Murata 18650 VTC6(3000mAh) に交換↓
リチウムイオン 18650(VTC6)- Yahoo!ショッピング
VTC6は高出力を必要とする電動工具やモバイルバッテリーにも使われる実績のあるセルです。
しかし、今回のケースでは特に大きな改善はありませんでした。
まとめ
最終的に、ケーブルを短くするだけで起動問題は解決しました。
ただし、周辺機器の構成や負荷によっては、OSをLite版にしたり、昇圧モジュールやセルを交換することで改善される可能性もあると思います。


